人の家ー住宅名建築ー2 Philip Johnson Glass House

 

一つ前のこのブログに書いたNY,メキシコ旅で見てきた「人の家」。だいぶ間が空いてしまったけど、続きです。

 今年もよろしくお願いします。

 

NYCのグランドセントラルステーションからメトロノースに乗車して1時間程のコネティカット州ニューケイナンにある建築家Philip Johnsonの自邸、グラスハウス。

"Less is More"で知られるミース ファン デル ローエに憧れていたジョンソンが、シカゴ郊外にあるミース設計によるファーンズワース邸完成の1年前、1949年に出来た(ミースの構想をジョンソンが先に形にしたという噂)近代住宅建築のマスターピースの一つと言われる住宅。

この旅の前にNYに行く際、マンハッタン52stにあるミースとフィリップジョンソン共同設計によるSeagramビルディング内のフォーシーズンズレストランに行ってみたい、と調べたら、こちらの住宅建築が見学可能な情報を得て、今回、見学予約を取って念願を叶えたという訳。

グラスハウスは、コネティカットの雄大な自然と広大な敷地(5万7540坪)の中に点在する大小10もの建築物で構成される一つの世界観を具現化したような場所。

f:id:hynm_ikeda:20161025044648j:plainゲートをくぐり、グラスハウスの方に向かうと現れる大きなコンクリートの輪は交流の深かったDonald Juddの作品。f:id:hynm_ikeda:20161025052621j:plain敷地の中を歩くこと数分、ようやく、といった所で本丸グラスハウスに到着。アクセスの為の砂利道は、人が歩く音でその存在を知らせる機能にもなっている。

 

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奥に見える「レンガの家」がミニマルなグラスハウスのボイラーや循環ポンプなど諸機能を支えている。

 

f:id:hynm_ikeda:20161025050537j:plain「私はたいへんリッチな壁紙を持っている」とジョンソンが語ったというニューケイナンの雄大な景色を望む西向きの壁面。訪れた10月下旬は紅葉の時期で格別美しかった。

f:id:hynm_ikeda:20161025050506j:plain家具はジョンソンが敬愛したミースファンデルローエがデザインしたKnoll社で統一されている。竣工以来、この家具の配置は一度も変更されたことがなく、その配置を俯瞰で見れば、カンディンスキーの抽象画を思わせる。

f:id:hynm_ikeda:20161025054731j:plainアートコレクターでもあったジョンソンのコレクションを纏めるための一つの館”Painting Gallery" ここはFrank Stellaの彫刻がまるで巨大なスクラップブックのように回転させて眺めることが出来るという常人では考えられない程贅沢な場所。f:id:hynm_ikeda:20161025052707j:plain僕が訪れた時期はちょうど草間彌生氏のインスタレーションが敷地を使って展開されていた。夕日が当たる時間帯で、幻想的な風景を更に盛り立てていた。

たまたま前日に仕事でここを訪れていたというアートディーラーをする友人の語ったこの家を形容するのに言い得ているなぁ、と思った言葉

"Functional Surrealism"

 

家、というより、機能する芸術、それもシュルレリスムや抽象アートを体感する場としての作品、といえそうだ。